TikTokやインスタの投稿は新しい履歴書?

この記事のポイント

  • TikTok、Instagram、YouTubeのようなソーシャルメディアのプラットフォームは、就活やキャリア構築の状況を大きく変えつつある
  • 若い求職者は、こうしたプラットフォームを利用して、クリエイティブな方法で自分のスキルや個性をアピールしている
  • 企業は採用におけるソーシャルメディアの価値を認識しており、カジュアルな(LinkedIn以外の)プラットフォームを通じた採用の成功につながっている
  • しかし、求職者はウェブ上にどのような個人情報を掲載するかについて慎重になるべき
  • お気に入りのソーシャルメディアにアクセスできない場合は、VPNを使用することでTikTok、Instagram、YouTubeなどのブロックを解除できる

就職活動とキャリア構築の状況は劇的な変化を遂げています。ソーシャルメディアのハッシュタグ、フィルター、フォロワー数が、業界のトップたちを魅了し、新たな就職先を見つける力を持つようになったのです。

LinkedInは、専門的な異業種交流に最適なソーシャルメディアサイトとして常に君臨してきました。その一方で、TikTok、Instagram、YouTubeのようなプラットフォームは、主にエンタメや個人的な繋がりを得るためのソースとして見られています。しかし、Z世代が主導するパラダイムシフトは、履歴書の提出、オンライン応募、LinkedInネットワーキングといった従来の方法が、夢の職業に就くための唯一の道であるという考え方に疑問を投げかけています。

今回、ソーシャルメディアを通じたカジュアルな履歴書を活用する傾向が高まっていることを取り上げ、実際このようなユビキタスなプラットフォームの助けを借りて、プロの世界で頭角を現した人々のストーリーをご紹介します。

ソーシャルメディアを活用することで理想的な仕事の探し方がどのように変化しているのか、早速見てみましょう。

■目次
ソーシャルメディアを通じた履歴書の台頭
「#TikTokレジュメ」革命
Instagramの画像パワーを活用する
YouTubeとビジュアルレジュメ
カジュアルなソーシャルメディアに履歴書を投稿するデメリット
TikTok、Instagram、YouTubeを使って夢の職業に就くためのヒント8つ

ソーシャルメディアを通じた履歴書の台頭

今日の雇用市場において、求職者は「注目を集めるのに苦労する」という共通の課題に直面しています。求職者数が増え続けると、履歴書やカバーレターは山のような書類の中に埋もれてしまい、なかなか目立つことができません。この課題は、経験豊富なプロフェッショナルと常に競争しているZ世代(1997年~2003年生まれ)にとって特に顕著です。

デジタル時代に育った若い求職者は、よりクリエイティブで革新的なアプローチの必要性を認識しており、その解決策としてソーシャルメディアプラットフォームに注目しています。これらのプラットフォームは、従来の履歴書やカバーレターの形式から脱却する機会を提供し、候補者がより魅力的な方法で自分のスキルや個性をアピールできるようにしています。さらに、採用プロセスにおけるソーシャルメディアの重要性が高まっていることは、応募者に、自分の努力はデジタル世界で見失われないという自信をもたらします。

最近の統計によると、採用におけるソーシャルメディアの価値を認識する企業が増えていることが明らかになりました。実際、採用担当者の約70%が、これらのプラットフォームを通じて採用に成功したと報告しています。型にはまらない採用戦略が受け入れられるようになったことで、求職者はたとえLinkedInでなくても、雇用主の関心を引くソーシャルメディアの可能性を探るようになりました。

現代の求職者はカジュアルなソーシャルメディアプラットフォームを活用することで、新鮮でユニークな人材を積極的に求める、膨大な雇用主のネットワークにアクセスできます。LinkedInやオンライン求人応募のような従来の手段では発見できなかった、より広い範囲の潜在的な雇用主にリーチする機会を得ることができるのです。

ソーシャルメディアの力で、自分のリーチを拡大することもできます。例えば、自分のソーシャルメディアコミュニティを活用して応募を進めたり、「いいね!」、動画の再生回数、シェアなどのエンゲージメント指標は、候補者を際立たせるのに役立ちます。

また、この新しい仕事探しのトレンドでは、自分のスキルをアピールするためビデオレジュメのようなビジュアルメディアを多用することが頻繁に起こっています。当然のことながら、最も頻繁に行われているプラットフォームはTikTokです。

「#TikTokレジュメ」革命

TikTokにおける履歴書の躍進は、同社が独自に生み出したコンセプトがきっかけでした。インターンシップや雇用の確保において新卒者が直面する課題を認識し、同プラットフォームが2021年にTikTokレジュメ(履歴書)を導入したのです。

人材採用にソーシャルメディアプラットフォームを活用することはまったく新しいことではありませんが、2015年にはタコベルがスナップチャットでインターンシップを募集し、2017年にはマクドナルドが人気画像共有アプリを通じて求人に応募できる「スナップリケーション」を導入しました。TikTokは、ユーザーを従来の応募ページに誘導するのではなく、ビデオアプリを組み込むことでコンセプトをさらに進化させました。

この取り組みでは、ユーザーがハッシュタグ「#TikTokResumes」とともに60秒のデジタル履歴書を投稿し、アプリ内で直接求人に応募するよう促しています。Chipotle、Target、WWE、Shopifyなど複数の有名企業が同社と提携し、求職者はソーシャルプラットフォームを通じてビデオレジュメを提出できるようになりました。一部の大学では、TikTokレジュメの作成をカリキュラムに組み込んでいます。

1日あたり平均12億回を超えるビデオ再生回数を誇るTikTokの広大なリーチは、求職者に潜在的な雇用主とつながり、幅広い求人情報を探索する大きな機会を提供します。


シアトル在住の求職者、マケナ・イーさん(23歳)は、TikTokレジュメのサクセスストーリーの一例です。彼女のビデオレジュメが急速に拡散し、「誰か雇ってあげてー!」といったコメントを含む何百万もの視聴と数百のコメントが寄せられた後、イーさんは15件以上の仕事の紹介を受けました。

ユタ州ブリガムヤング大学の元学生、カリ・ロバーツさん(25歳)も、TikTokレジュメで仕事に就くことができた1人です。米国映画「キューティ・ブロンド」にインスピレーションを得たビデオレジュメを投稿後、彼女はTikTokのグローバルビジネス部門でインターンシップをすることに成功しました。「ダイナミックでペースの速い環境で働くのが得意なんです」と、ランニングマシーンに乗りながらロバーツさんは言います。

ロバーツさんはこの仕事を獲得した後、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに次のように答えています。「自分の個性や本当の自分が、紙の履歴書に書かれているとは思えませんでした。TikTokのおかげで、動画編集や人前で話すといった、書面では失われてしまうような自分のスキルをアピールできました。TikTok以外の10社から、『TikTokがあなたを必要としないなら、私たちがあなたを雇いたい』と言われました」

Instagramの画像パワーを活用する

パキスタン系カナダ人の女優、イマン・ヴェラーニさんは、Instagramがいかに新たなチャンスへの扉を開くかを示す最たる例です。彼女は自身のInstagramのアカウントを通じて、マーベルシリーズのカマラ・カーン役を獲得しました。指のネイルアートにキャラクターを描き、それがキャスティング担当者の目に留まったのです。


Instagramの視覚的な性質は、求職者にとっても特に魅力的なものです。個人が魅力的な動画や人目を引く画像を通じて、自分の能力をアピールできるのです。デザイナーであれ、シェフであれ、才能ある写真家であれ、自己表現と潜在的な雇用主への能力アピールを行う理想的な場を、Instagramは提供しています。

例えば、インドに拠点を置くユーザー、アンキタ・チャウラさんは、個人のInstagramアカウントを自分のスキルや能力をクリエイティブに紹介するものに変えました。彼女は履歴書をコラージュとしてデザインしてプロフィールに投稿したことで、インドのDeloitte社のビジュアルクリエイターとして採用されました。

インドのメディア会社Bumppyとの最近のインタビューで、チャウラさんは次のように語っています。「友人たちが就職前の内定について話している間、自分はそこに座っていたくないと感じていたのを覚えています。その時に、私はInstagramフィードをスクロールしていて、雇用主の注意を引くために他の人と何か違うことをする必要があることに気づきました」。彼女はデザインに60時間を費やし、さらに製作に5時間かけて、Instagramの履歴書を完成させたのでした。

多くの意欲的なクリエイターがこれに倣ってInstagramのページを本格的な履歴書に変え、潜在的な雇用主を惹きつけるために自分の才能や情熱をアピールしています。


求人応募の過程でInstagramを手段として活用するというアイデアは、雇用主にとっても有益です。雇用主は、候補者の投稿やストーリー、さらにはフォローしているアカウントを簡単にナビゲートできるため、正式な履歴書の制約を超えて応募者と知り合うことができるのです。

YouTubeとビジュアルレジュメ

YouTubeといえば、長らくコンテンツクリエイターやバイラル動画のイメージが強い傾向にありますが、ビデオレジュメも頻繁に登場するようになりました。コメディアンでクリエーターのブライアン・デイビッド・ギルバートが陽気なラップ調の履歴書を作成し、ポリゴン社に就職したことがきっかけとなり、自分のスキルや個性、野心をアピールするために動画の力を活用する求職者の波が巻き起こりました。そして、それに対する雇用主の反応は、圧倒的に好意的です。

ブライアン・デイビッド・ギルバートが、ポリゴン社への就職を獲得するためにラップ調の面白い履歴書を投稿し、YouTubeでのビデオレジュメのトレンドに火をつけました。

米国の1,000人以上の採用担当者を対象とした調査では、76%が「事前に録画された候補者の動画は貴重な洞察を与えてくれる」と回答しています。さらに、「ビデオレジュメは採用プロセスを補完するツールである」と述べています。

ジェス・ローさんは求人に応募する際、他の候補者より目立つためにYouTubeでビデオレジュメを作成しました。
アテフェ・ピルザーデさんは、自分のイラストスキルをアピールするため、ビデオレジュメを作成し、YouTubeに投稿しました。

なぜなら、ビデオレジュメの主な利点の1つは、求職者が自分の創造性と信頼性をアピールできる機会だからです。従来の履歴書では、個人の個性を余すところなく伝えることに苦労することが多いのですが、ビデオレジュメであれば、求職者は独自のストーリー展開能力、ユーモア、さらにはビジュアルを駆使して、潜在的な雇用者の印象に残ることができます。このクリエイティブな自由によって、求職者は自分の資格だけでなく、希望する職務に対する情熱や熱意も伝えることができるのです。

しかし、それにはマイナス面もあります。

カジュアルなソーシャルメディアに履歴書を投稿するデメリット

カジュアルなソーシャルメディアプラットフォームに履歴書を投稿することは、求人応募プロセスで目立つための確実な方法かもしれませんが、最初に考慮すべき欠点がいくつかあります。

デメリットの1つ目は、ビジュアルレジュメやビデオレジュメに添付されたユーザー画像が、従来の履歴書では通常隠されている年齢、人種、体重、魅力などの個人的特徴を不注意に明らかにしてしまうことです。これは採用の偏りにつながる可能性があります。ソーシャルメディアプラットフォームに表示される政治的・宗教的所属、性的指向、親の地位に関する詳細も、採用決定に影響を与える可能性があります。

さらに2つ目として、カジュアルなソーシャルメディアプラットフォームに履歴書を掲載することは、個人情報の盗難に関連した長期的な影響や潜在的なリスクについて懸念が高まる可能性があります。このようなプラットフォームで個人情報を共有すると、デジタル上の足跡が残り、永続的な影響を与える可能性があります。一旦個人情報がネット上で共有されると、その拡散を制御することは困難である場合があります。

このように、カジュアルなソーシャルメディアプラットフォームに履歴書を投稿することには潜在的な欠点があります。ですが、創造性と慎重さのバランスを効果的に取れさえすれば、利点がリスクを上回る可能性はあります。

TikTok、Instagram、YouTubeを使って夢の職業に就くためのヒント8つ

ここでは、カジュアルなソーシャルメディアに履歴書を投稿する際に、個人情報の安全性を確保し、オンラインでの自己アピールを有利にするステップをいくつかご紹介します。

1. 選別する

群衆の中で目立ちたい場合は自分のクリエイティビティを発揮することが不可欠ですが、ビデオレジュメやInstagramの投稿であまりにも多くの情報を提供しないようにしてください。代わりに、ティーザーやハイライトのような方法を選びましょう。魅力的なビジュアルで注目を集め、自分のスキルや経験への関心を高めます。その後、閲覧者を専門的なウェブサイトや、共有する情報をより細かく管理できる安全なオンラインポートフォリオに誘導することを検討してください。

2. VPNを使用する

オンラインで仕事を探す場合でも、ソーシャルメディアにアクセスする場合でも、VPNの使用を検討してください。VPNは、インターネット接続を暗号化することでセキュリティ層を追加し、オンライン上のIDとデータを保護するのに役立ちます。さらに、TikTok、YouTube、Instagramのような特定のプラットフォームへのアクセスを制限している国に滞在している場合、VPNは有益なツールとなる可能性があります。VPNを使用することで、より幅広いコンテンツを見たり、専門家とつながったり、貴重なリソースを利用したりすることができ、求職活動に役立てることができます。

3. プライバシー設定を強化する

ソーシャルメディアのプライバシー設定を、定期的に見直して更新してください。連絡先、住所、生年月日などの詳細情報の閲覧を制限することで不正アクセスを防ぎ、プライバシーを保護しましょう。

4. 「自分」をググる

ネットで自分の名前を検索して、公開されている情報を確認してください。職業上のイメージを損なう可能性のある、不適切または否定的なコンテンツを削除します。Googleに問い合わせて検索結果から削除してもらうか、ウェブサイト管理者に直接連絡して削除してもらいましょう。

5. プロ意識を持つ

ネット上のすべての交流において、常にプロとしての態度を保ちましょう。否定的または物議を醸すような議論は避け、攻撃的または不適切なコンテンツの投稿はしないでください。雇用主は、求職者がその組織にふさわしいかどうかを判断するために、オンラインでの行動を評価することが多いことを覚えておいてください。

6. 創造的、独創的であること

履歴書やオンラインプロフィールに、目標とする業界や企業に沿った革新的な要素を取り入れることを検討してください。Spotifyをテーマにした履歴書を書いてSpotifyに就職したエミリー・ヴーさんは、その代表的な例です。既成概念にとらわれずに考え、独自性をアピールすることで、潜在的な雇用主の注目を集め、強烈な印象を残すことができます。

エミリー・ヴーさんは、Spotifyをテーマにした履歴書を作成した後、Spotifyで夢の職業に就きました。

7. 期間限定で公開される投稿を活用する

おそらくほとんどの人が、ソーシャルメディアのフォロワーに就職関連のコンテンツを発信したがらないでしょう。しかし、採用担当者がアカウントをチェックしてくれることを期待する場合は、InstagramストーリーズやTikTokストーリーズの一時的な性質を利用して、就職関連のコンテンツについて発信することを検討しましょう。これらの機能では投稿が24時間しか有効ではないため、時間的な制約があります。

8. AIの助けを借りる(ChatGPTなど)

ChatGPTのようなAIツールの力を活用して、履歴書やカバーレターの作成プロセスを強化しましょう。これらのツールは、貴重な提案を提供し、コンテンツの構成を助け、応募書類をより魅力的で洗練されたものにするための言語支援を行います。AIを支援リソースとして活用することで、時間を節約し、文書の質を向上させ、際立った応募書類を作成できる可能性を高めることができます。

よくある質問 (FAQ):ソーシャルメディアを通じた履歴書

TikTokレジュメとは?
カジュアルなソーシャルメディアとは?
LinkedInの代替ソーシャルメディアはありますか?
ChatGPTは履歴書を作成できますか?
TikTokのブロックを解除する方法は?
Phone protected by ExpressVPN.
【オンライン上の安全強化はVPN】
プライバシー&セキュリティ対策

30日間返金保証

A phone with a padlock.
プライバシーに真剣に取り組んでいます。まずはお試しください。

30日間返金保証

VPNとは?
ExpressVPNはあなたのオンラインセキュリティとプライバシーのためにあります。このアカウントからの投稿は、会社のニュースやセキュリティとプライバシーに関する重要な話題を中心に取り上げます。