VPNを使用する主な目的の1つは、新しいIPアドレスを取得することです。これにより、自分の身元を隠せるだけでなく、地理的に異なる場所にいるように見せかけることもできます。
そのため、Googleマップを開いたときに、VPNロケーションではなく実際の位置情報が表示されることがあるのは不思議に思えるかもしれません。また、Google検索では、VPNロケーションではなく実際に居る場所の結果や言語が表示されることがあります。なぜGoogleはユーザーの本当の居場所を知っているのでしょうか?
それは、ほとんどのウェブサイトやアプリとは異なり、Googleはユーザーの位置を特定するためにIPアドレスだけを使用しているのではないからです。そうすることがGoogleの利益に繋がっており、パーソナライズされた広告を提供し続け、収益を促進しています。
これはVPNを使用すべきではないという意味ではありません。むしろその逆で、VPNを使い続けるべきだということです。VPNを使用してもGoogleはユーザーの位置情報を把握する可能性はありますが、ユーザーのIPアドレスと使用しているインターネットサービスプロバイダをGoogleから隠し、Googleが把握するユーザーに関する情報を減らすことができます。さらに、他のあらゆるサイトからはVPNサーバーが設置された場所にいるように見え、インターネット接続の暗号化を保てるので、自分のオンラインセキュリティを守ることができます。
VPNがオンになっていてもGoogleに実際の位置情報を知られる理由
1. スマホやタブレットのGPS機能
GoogleはスマホやタブレットのGPS機能を通じて、ユーザーの本当の居場所を知っている可能性が高いです。Googleマップやその他のマッピングツールが正常に機能するように、GPSがデバイス上で有効になっている可能性が高いです。GPSをオフにしない限り、常に動きを追跡されます。
2. Wi-Fiを利用した位置情報追跡
Googleは、Wi-Fiロケーション追跡と呼ばれるジオロケーションシステムを使ってユーザーの位置を特定します。この方法はGPSを使うのと似ていますが、衛星に頼るのではなく、Wi-Fiネットワークとアクセスポイントを使って位置を特定します。
また、Googleは世界中に存在するWi-Fiネットワークとアクセスポイントのデータベースを持っています。Wi-Fiをオンにしている限り、デバイス上でスキャンしているWi-Fiネットワークの信号強度を測定することで、ユーザーの位置を三角測量できます。つまり、Wi-Fiネットワークに接続していなくても、Googleに位置情報を知られてしまうということです。
3. デバイスに保存されたCookie
Cookieとは、ウェブサイトが訪問者のデバイスに保存するファイルで、訪問に関するデータを記録し、今後の訪問に役立てるためのものです。ログイン情報やアカウント設定などの基本的な情報だけでなく、位置情報の詳細も保存されるため、Googleがユーザーの現在地を把握するのに役立ちます。
4. 自分のGoogleアカウント
あなたはGoogleのアカウントをお持ちですか?おそらくその答えは「はい」でしょう。Googleアカウントは、以下のような数多くの理由でGoogleにこっそりユーザーの位置情報を伝えている可能性があります。
- Googleアカウントに登録する際、VPNに接続していなかった。VPNに接続していない場合、Googleはユーザーの登録場所に関する情報をすでに入手している可能性があります
- 利用中のデバイスでGoogleアカウントにサインインしている。その場合、地元のお店やレストランを数回検索するだけで、Googleはユーザーがその地域に住んでいると判断する可能性があります
- 過去に、Googleマップに自宅や職場の住所を設定した経験がある
- Googleは、VPNの使用を開始する前から、ユーザーの過去の位置情報履歴をすでに入手していた
- ロケーション履歴が有効になっている
VPNが機能していないということですか?
そんなことはありません。VPNは、強力な暗号化によってユーザーのトラフィックをプライベートに保ち、別のIPアドレスを与えます。ユーザーが追跡されにくくなるだけでなく、ユーザーがどこか別の場所にいるように見せかけるため、正しく機能している可能性があります。
ところがGoogleマップはGPSを使用しているため、IPアドレスが異なっていても、ユーザーの行動を正確に追跡できます。例えば(GPSを提供していない)コンピュータでGoogleマップを使おうとすると、ユーザーはVPNの設置された場所にいると認識される可能性があります。
他のGoogleサービスに関しても、Googleはさまざまな方法でユーザーのアカウントを追跡しています。特にGoogleアカウントにサインインしている場合、現在地についてGoogleを騙すのは比較的難しいです。
Googleに実際の位置情報を知られないようにする方法
Googleに自分の本当の居場所を完全に知られないようにすることが可能かどうかについては疑問が残りますが、Googleに追跡されにくくするための一定の対策をとることはできます。
1. 可能な限りGoogleからサインアウトしたままにする
Googleのサービスやインターネットを完全に利用しないに越したことはありませんが、少なくとも検索エンジンやマップなどを利用する際は、Googleアカウントからサインアウトしておくことはできるはずです。
もっと読む:Googleアカウントを完全に削除する方法
2. スマホのGPS機能をオフにする
Googleマップに現在地をピンポイントで特定されないようにするには、携帯電話のGPSサービスをオフにします。Googleマップを使って場所を検索したり、ストリートビューを表示したり、その他のほとんどの用途では引き続き使用できますが、マップ上で自分の正確な位置を確認したり、道案内に使うことはできなくなります。
Android
- 画面の上から下に2回スワイプする
- 位置情報をタップしてオフにする
iPhone
- 設定 > プライバシーとセキュリティ > 位置情報サービスに移動する
- 位置情報サービスのトグルをオフにする
3. Googleアカウントの特定の設定をオフにする
まだGoogleを手放したくはないですか?使う、使わないを決めるのは自分自身です。もう少しだけGoogleを使ってみようと思う場合は、少なくともGoogleに自分の本当の居場所を知られてしまう可能性のある設定をいくつかオフにしておくべきです。
「タイムライン」および「ウェブとアプリのアクティビティ」をオフにする
Googleアカウントには「タイムライン」と「ウェブとアプリのアクティビティ」という2つの設定があり、自分の位置情報が保存・追跡されるかどうかを調整できます。これらの設定を有効にすると、自分の本当の居場所が表示される可能性があります。
まず重要なのは、タイムラインのロケーション履歴機能によって、訪れた場所が日付やタイムスタンプ付きで保存されるということです。以下の手順でタイムラインをオフにしてみましょう。
- マイ アクティビティを開く
- タイムラインを選択する
- オフにする > OKを選択する
しかしながら、ロケーション履歴機能をオフにするだけでは不十分です。「ウェブとアプリのアクティビティ」にも、Googleのサイトやアプリでの位置情報を含むオンライン情報やアクティビティが保存されるため、こちらも無効にするのがベストです。
- マイ アクティビティを開く
- ウェブとアプリのアクティビティを選択する
- オフにする > OKを選択する
Google Chromeでサイトとの現在地情報の共有をオフにする
サイトとの現在地共有を有効にすると、ChromeからGoogle位置情報サービスに情報が送信され、予測現在地が取得され、訪問先のウェブサイトでその情報が共有されます。これは、Googleがユーザーの本当の居場所に関する情報を収集するもう1つの方法に過ぎません。デスクトップとモバイルの両方でChromeの現在地情報の共有をオフにして、現在地情報をプライベートに保ちましょう。
デスクトップのChromeで現在地情報の共有をオフにする方法
- Chrome上で設定 > プライバシーとセキュリティ > サイトの設定を開く
- 位置情報をクリックする
- サイトで位置情報へのアクセスを許可しないをクリックする
モバイルのChromeで現在地情報の共有をオフにする方法
- Chrome上で、三点アイコンをタップする
- 設定 > サイトの設定 > 現在地をタップする
- 位置情報のトグルをオフにする
もっと読む:プライバシー保護に最適な(または最悪の)検索エンジンランキング(2022年)
4. 別の(Google以外の)サービスを利用する
最も人気のある検索エンジンでありながら、Googleはプライバシーを最も尊重しない検索エンジンの1つとして知られており、ユーザーに関する多くの情報を追跡しています。これには、位置情報履歴、閲覧アクティビティ、検索履歴などが含まれます。Googleに自分のことについて知られる情報を最小限に抑えるには、DuckDuckGoのようなプライバシーを尊重する検索エンジンを使いましょう。
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5. VPNブラウザ拡張機能を使用する
VPNブラウザ拡張機能はオンラインアクティビティを保護し、ブラウザ使用時に位置情報を偽装するのに役立ちます。例えばChrome版ExpressVPNブラウザ拡張機能は、ExpressVPNアプリと一緒に有効にすると、以下のような追加のプライバシーとセキュリティ機能を提供します。
- WebRTCブロック:ウェブサイトが本当のIPアドレスやロケーションを検出するのを防ぐことで、ユーザーのプライバシーを保護します
- 位置情報の偽装:Chromeのジオロケーションデータを、接続先のVPNロケーションのIPアドレスと一致させるように設定します
- ダークモード:Chromeブラウザ拡張機能では、目に優しいカラーテーマであるダークモードを選択できます